その昔、銚子沖に沈んだ漁船にキヨ子という女が乗っていた。
たいそう美しい女で、多くの船乗りたちが接近してきたが彼女が伴侶に選んだのは池永という船頭だった。 しかし、池永は支配欲が強い粗暴な男だった。
些細なことで感情的になってキヨ子にあたり、彼女は人目をはばかって船倉でしのび泣くこともあった。

ある日、キヨ子が泣いている傍でほかの男がハンカチを渡して慰めているところを池永に目撃されてしまう。
嫉妬した池永は激昂のあまり、その男を仄暗い海に突き落としてしまった。
そしてキヨ子は船倉に閉じ込められてしまう。船乗りたちは船頭の池永に逆らうことがで
きず、男の死を海難事故に見せかけ、キヨ子を外に出さないことに協力をした。

―しばらく経つと船倉から女の泣き声が漏れ聞こえてきた。
泣き声は次第に大きくなり、船倉から水が流れ出てきた。
やがて船内に水が大量に溢れ「人喰い波」となって、 キヨ子の「怨念の涙」で船を沈めてしまったのだ。
乗組員全員の死亡が確認されたが、彼女の怨念は強く、いまだ銚子沖を漂っているという。

キヨ子の怒りを鎮める唯一の方法は、ハンカチで彼女の涙を優しく拭ってあげること。
涙の化身となって現れる、彼女の怨念の涙を果たして止めることはできるか。

2016年 「銚子怪談 ~呪われた涙船列車~」
は閉幕いたしました。
 たくさんのご来場ありがとうございました。

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主催
銚子電気鉄道株式会社

プロデュース
寺井広樹
「ホラ活」「涙活」発案者

制作
株式会社丸山工芸社
大正十二年創業、全国のお化け屋敷を手がける老舗の制作会社

協力
赤井宏次
ネットラジオちょあへよ.com
吉沢崇