銚子のとある駅を通過するとき、
車窓に濡れた髪の女が映し出されるという。
赤ん坊を抱いている、胴体は蛇のよう、
髪は地面に触れるほどに長いといった目撃情報があとを絶たない。
かつて銚子沖では、
生後間もない赤ん坊を抱えて
海に身を投げた髪の長い女がいた。
その女はとある工場で働いていたが
生活苦で子供を育てることができなかった。
濡女の抱きかかえている赤子に近づくと
身体を食いちぎられるという言い伝えがあり、
ウミヘビの化身ではないかと恐れる者もいる。